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全ての食品関連事業者に導入が義務付けられたHACCP制度

「HACCPってなんや・・・そんなんやってる暇ないわ!」
と言いたいところですが

今回の改正食品衛生法は大企業だけでなく、
店主が1人で切り盛りする個人経営のお店でも例外なく義務化されます。

すべての飲食店で
HACCP書類の作成・管理・保存が義務付けられることになります。

【HACCP(ハサップ)とはなにか】

食の安全を脅かす要因を除去または低減するための、
衛生管理の手法です。

Hazard :危害要因
Analysis :分析
Critical :重要 
Control  :管理、コントロール
Point   :点、ポイント 
Hazard Analysis Critical Control Point
の頭文字をとったもので、これは直訳すると
「危害分析重要管理点 」となります。

HASSPは国際基準であり、
世界各国で法制化による義務化が進んでいて、
実は日本は、先進国の中では義務化が一番遅かったのです。
この衛生管理手法の大きな特徴は、
食の安全を保つ上で重要な管理点を発見し、
食品危害の要因をそこで除去または低減するために必要な
管理基準 を設定して、この基準に基づいてしっかり
管理するという点にあります。

要点は
◎管理基準を設定して
◎基準に基づいて管理いていく
 です。

【何時までにやらなければならないか】

令和3年6月1日が期限です。

交付日が平成30年6月13日で
施行日は2年以内なので令和2年6月1日が
本来の施行日だったのですが、
1年の移行期間が設けられ
令和3年6月1日となりました。

【HACCP義務化不履行の罰則はあるか】

HACCPは努力目標ではなく、
改正食品衛生法によって義務付けされました。

しかし食品衛生法上では罰則はありません。

そのあたりは都道府県知事の裁量に任されました。

つまり各お役所によって対応が変わってくるということです。

都道府県の条例により
営業許可の更新不可、又は取消し、罰則・罰金等
のペナルティが課される可能性が大きいです。

実際には、一発でアウトと言うことはないと言われています。

保健所が立ち入りの時
「ハサップはどうしてますか? 決まりですからやってくださいね」
とアドバイス(実質は警告)
して、2回、3回とそれが繰り返されると、
見せしめで
営業停止の様な感じになると思われます。

 しかし、これは憶測です。

ハサップ制度の推進が進まず業を煮やしたり、
よそで大きな食中毒のような事件が起こって
状況が一変して、
急に厳しくなる事も考えられます。

【HACCPを導入するにはどうすればよいか】

三つの方法があります。
①行政書士に依頼する
②コンサルタント会社に依頼する
③自力でする。

①行政書士にサポートしてもらう

「最低限の労力で法令遵守のためのHACCPを取り急ぎ構築したい」
場合に向いています。
そのあたりの勘所を押さえた行政書士は適任です。

②コンサルタント会社に委託する

マネジメントシステムを専門とするため
企業の状況や業務フローに合わせた
最適なシステムが提供されます。
大規模な食品工場など
ISO取得を目指すという場合に向いています。

③自力でする

厚生労働省はすなわち
「なんとなく毎日やってきた」ことを
「計画的に毎日やる」と言います。

しかし実際に取り掛かると、
押さなえなければならないポイント、
専門用語が厄介です。

書籍で学習したり、ネットで調べたり、
各種セミナーも開催されていますが、

荷が重いと感じた方は、
専門家に相談したほうが
本来の仕事に専念できるかと思います。

【小規模事業主向けの導入しやすい制度】

従業員50名以下であれば
基準Bとなり

HACCPの衛生管理の考え方を取り入れつつ、
一般衛生管理を基本として行うため

比較的容易にHACCPの導入ができます。

食中毒予防の
3原則(有害な微生物をつけない・ふやさない・やっつける)
を押さえながら

今取り組んでいる
衛生管理(一般的衛生管理のポイント)と、
メニューに応じた注意点(重要管理のポイント)
を「衛生管理計画として明確化」
できた計画を実行してその実施状況を記録して、
衛生管理の取組みを「見える化」する手法です。

HACCP制度を活用して「お店を守る」

確かにお店としては負担となり、

義務だから仕方がない面もありますが、

導入によるメリットもあります。

ここはHACCP制度を活用するという風に
考えてみてはいかがでしょうか。

メリットとして

・食中毒などの事故を防止する

・クレーム対応に役立つ

・お店の安全性をお客様にアピールできる

・取引先から取組を評価され、信頼される

・保健所の立ち入り検査時に必須事項をクリアしている。

 など「大切なお店を守る」ための自衛手段となります。