目次
- 【居所の分からない相続人の 調べ方】
- 【戸籍謄本とは?】
- 戸籍謄本の種類
- ◎戸籍謄本
- ◎除籍謄本
- ◎改正原戸籍謄本
- 【戸籍収集の手順】
- ポイント
- 【相続人調査がむつかしい訳】
- ① 集めなければならない、戸籍謄本の通数が多い。
- ② 本籍所在地ごとに調査しなければならない。
- ③ 何度も法律(戸籍法)が変わっている。
- ④ 古い戸籍は手書きで読みにくい。
- ⑤ 戸籍の連続性を見落とす可能性があります。
- ⑥ 次の場合は複雑になるケースなので注意が必要です。
- 【まとめ】
【居所の分からない相続人の 調べ方】
居所の分からない相続人、存在を知らないが居るかもしれない
相続人を調べる方法をご案内します。
遺産分割協議書は法定相続人の全員の合意が必要です。
一人でも欠けると無効になります。
そのために、音沙汰がなくどこに住んでいるのか分からない相続人、
存在するかもしれない相続人もすべて調べて、相続人を確定しなければなりません。
その方法は戸籍謄本を取得する
ことです。
【戸籍謄本とは?】
戸籍謄本(全部事項証明書)
には「親子関係・結婚離婚・養子縁組の有無・認知した子供の有無など」
が記載されています。
戸籍謄本をたどれば家族関係が把握できるということです。
戸籍謄本の種類
戸籍謄本には
「戸籍謄本」「除籍謄本」「改正原戸籍謄本」の種類があります。
これらを戸籍謄本類と言います。
◎戸籍謄本
現に人が入っていて使われている戸籍の謄本
◎除籍謄本
戸籍内の人が全員、結婚や離婚、養子縁組、死亡などでいなくなっている戸籍。
◎改正原戸籍謄本
戸籍の電子化や法改正によって戸籍が改定されたため、使われなくなった古い戸籍。
この三つの戸籍謄本類をすべてそろえる必要があります。
※「除籍謄本」「改正原戸籍謄本」が存在する場合。
【戸籍収集の手順】
被相続人(亡くなった方)の出生時から死亡時のすべて
の戸籍謄本を集める。
① 亡くなった方の「本籍地」を調べる
② 本籍地の役所で死亡時の戸籍を取得する
※住所の役所ではありません
③順番に遡って出生時までの戸籍謄本を取得していく。
ポイント
◎もし死亡時の本籍地が分からない場合は現住所の役所から住民票
(除籍)
を取得すれば、それに本籍地が記載されています。
◎住所・連絡先が分からない相続人の住所を調べる手段として
戸籍謄本の付票を取得する方法があります。
戸籍の付票
には住民票の【移動の履歴】が記載されています。
◎死亡時から出生時まで、必ず【連続性している】ことが必要。
連続性は【日付】や【本籍地】で確認する。
つまり
・日付にズレがあるのは、その間に別の戸籍があるということ。
・同じ日付でも、以前の本籍地から次の本籍地に移動の有無を確認する。
本籍地が違っていればその間に【別の戸籍】があったと考えられる。
その場合は再度、役所に申請してその間の戸籍を取得する必要があります。
【相続人調査がむつかしい訳】
慣れない人にとって、相続人調査=戸籍収集は厄介です。
その理由を列挙していくと
① 集めなければならない、戸籍謄本の通数が多い。
普通で5通ぐらい、多い人で10通を超える場合があります。
② 本籍所在地ごとに調査しなければならない。
一か所の役所で全ての戸籍謄本がそろえばよいが、
複数の本籍所在地を管轄するお役所別に調査
を繰り返さなければならない。
③ 何度も法律(戸籍法)が変わっている。
戸籍法が変わるたびに、戸籍謄本は改定され「改定原戸籍謄本」
ができています。→戸籍の【連続性】を確認しにくい。
④ 古い戸籍は手書きで読みにくい。
電子化された「現行戸籍」読みやすいのですが、
古い戸籍は
毛筆で書かれ、書体も今の人には判読しにくいです。
⑤ 戸籍の連続性を見落とす可能性があります。
先ほど書いたように【日付】や【本籍地】の
移動をポイントとして
戸籍の連続性をチェックしなければならないのですが、
慣れないと非常に厄介です。
これらの戸籍謄本は相続人が漏れなく揃っている事を、
証明するための添付書類です。
裁判所に厳密にチェックされるので、戸籍謄本が足らなければアウトです。
⑥ 次の場合は複雑になるケースなので注意が必要です。
◎数次相続
以前の相続手続きをしていない場合。
◎代襲相続
孫や甥・姪が法定相続人となる場合。
◎兄弟姉妹が相続人になる場合
【まとめ】
以上を列挙しましたが慣れない人でも①~③あたりは手順を考え
粛々とやれば何とかなりそうですが
⑤、⑥、あたりが大変だと思います。
④の古い戸籍には当たりたくないですが、古参の町役場の
職員さんは、読めてしまう場合があるので、教えてもらうのも手です。
以前何かで読んだのですが、古文書のOCR化が
いかに難しいかとのことでした。
スキャンしたとき古紙のヨレや汚れまでパターン認識しようとするので難儀する。
最新のAI技術もベテランの人間にはまだまだ及ばないと言うことです。
余談になってしまいましたが、かかる手間や失敗の不安などを
考えると、相続人の調査は専門家に任せたほうが良いように
思います。