戸籍や住民票などの個人情報は金融機関、企業の人事関係、婚姻関係、浮気調査の情報としてたくさんの需要があります。

とてもお金になるのです。

また、住民票、戸籍謄本は本人証明として利用され、銀行口座の開設、消費者金融の借入、一定の売買契約などが本人になりすまして行われる犯罪に使われる可能性があります。
以前には住民票や戸籍謄本は誰にでも公開されていました。 
2008年に戸籍法・住民基本台帳法が改正され、現在では個人情報を保護するため、本人と本人からの委任状を持つ人でないと取得できません。
ただし例外があります。  

目次

【職務上請求書】

例外は行政書士をはじめとする弁護士、司法書士など国家資格を持つ士業に限って、委任状なしで住民票や戸籍謄本を取得できる権限があります。
職務上請求書という書類を使う方法です。
職務上請求書は
「誰の個人情報でも入手できる」
という非常に強い力を持った申請書です。
 しかし、私はこれを
特権
などとは考えません。
あくまで
依頼者のため
業務を円滑に遂行することが目的の職権なのです。

【不正に個人情報を取得するケース】

行政書士や弁護士、司法書士が
その職権を悪用して、興信所・探偵社とつるんで
(まっとうな探偵さん、すいません)

巨額の利益を得ていたケース
があります。
職権の悪用であり士業全般の信頼を損なう大問題です。使用にあたっては、職業倫理を守り、適切に行うべきです。

【職務上請求書の管理の厳格化】

身元調査に加担して職務上請求書の悪用があったため、各士業の団体は
職務上請求書の管理を厳格化しました。
 行政書士会においても管理強化を実施しています。
・職務上請求書の購入は1回に 100 部と限定されます。
・複写控えを通し番号で厳格に管理し、2年間保管しなければなりません。
・書損じの場合も破棄はダメで顛末書が必要です。
・紛失の場合は顛末書とともに始末書を出さなければなりません。
・定期的に職務上請求書の取扱いの講習が義務付けられています。
この件に関しては、行政書士会だけでなく
 各士業団体はピリピリしています。

【個人情報を自衛する方法】

未然に住民票・戸籍謄本を取得されるのを防止する方法ではありませんが、本人の知らない間にそれが取得された場合その事実を知る方法があります。

「本人通知制度」
という制度で
市町村の役所で
事前登録
しておけば
自分の住民票や戸籍を他人が取れば、取られた本人に知らせてくれるという制度です。

【当事務所の場合】

当事務所でも職務上請求書は持っています。
しかしながら、あくまでも緊急時の備え
として保有しています。
 住民票・戸籍謄本は慎重に扱うべき個人情報であり、委任状で本人の
了解をもらって市町村に請求するのが
「正しいやり方」
と考えるからです。
 受任するときに、必ず本人確認とともに委任状をお願いしています。
面倒と言わず、逆に信頼できる行政書士だと思っていただけると有難いです。